説明下手の人

 前回までのあらすじ。

 目立てなかったので腹立てた俺は目立つべくブログを再開、それはそれとしてこのあいだ千葉とかのあたりをうろうろしたときにラーメン食いたくなって、それで「そういえばこのへん俺ガイルの舞台なんだよなあ、あ、あれか。あれがなりたけか。よくわかんないけどあそこ入ろう」と思ってチューシュー麺頼んだら、チャーシューがどうとかいう以前の問題で「これはなに」ってなって、ちょっと俺が考えていたラーメンってものの常識と食い違う感じで、それはマックでハンバーガー頼んだら女子高生が出てきたかと思いきや女子高生のコスプレをした47歳のおっさんが出てきた、というくらいのものでした。それでなんとか食うには食い切ったんですけど、帰りの電車のなかで、これが俺の花道だといわんばかりにうんこ武勇伝を繰り広げそうになったくらいに腹が痛くなって、俺は背脂ものすごい怖くなった。

 しかしその後もやはり定期的にラーメン食いたくなって、あれはそう……まあ別にいつでもいいんですけど、車で出かけたときにどうしてもラーメン食いたくなって、俺はラーメンっていうと家系以外はラーメンじゃない、というくらいの家系原理主義者なんですけど、そういうときに限って家系見つからないんですよ。そんでしょうがないから目についたラーメン屋にふらっと入ったんですけど「背脂」って文字が見えて。俺の背中を軽く背脂流れましたね。なりたけ以来、背脂がこわい、というくらいのトラウマになってたので。それで俺は若い女性店員さんに聞きました。

「あのー、ここって背脂どれくらいの量が乗るんでしょうか」

 若い女性店員さんは、俺を、まるで包茎の人を見るような目で見て、こう言いました。

「ふつう?」

 俺は人生であれほどバカにされたと感じた瞬間はなかった。「ふつう?」て。半疑問形ですよ。おまえの質問の意味がわからないという意味ですよ。そりゃおまえ基準ではおまえの勤めてる店の背脂の量がふつうだろう。しかしこの世には同じ背脂といっても、とんでもない世界もあるんですよ。ラーメン業界全体についての一般的な知識を持ってほしかった。俺は背脂がこわい。

 いやまあ、別にいいんですけど。店員さんがラーメン好きとは限りませんし。

 で、それはぜんぜん関係ないんですけど、今日は身内の人と車で出かけまして、それでこの人はゲームが好きです。どれくらい好きかというと、仕事以外はゲームしかしません。ボトラーまであと一歩、いや半歩くらいの感じです。その人がずいぶん前からハマっているゲームがSkyrimというゲームらしいのですが、俺はゲームと名がつくものはエロゲームしかやりません。なので説明してもらったのですが、これが端的に「説明がへたな人」の特徴がすべて表れていて、非常に興味深かったっていうか運転が危うくなるくらいわかりづらかった。あまりにわかりづらかったので、それをここに書いてみる所存です。

 まず前提条件として「相手がなにを知っていて、知らないのかまったく考慮に入れない」ということです。相手は俺がえろげしかやらず、ドラクエですらも全作やったことがない筋金入りのゲーム音痴であることをよく承知しています。にもかかわらず、どんどん業界内用語が出てくる。俺はわからないので逐一質問するんですけど、そのたびごとに「え、こんなのも知らないの」って知るわけねえだろ。モッドってなんだ聞いたこともねえよ。

 質問をすると答えてはくれるのですが、今度は本筋からズレて「この場合の説明は、文脈を理解できる程度の大づかみなところまででかまわない」みたいなところでどんどん深みにはまりこむ。聞いてる俺が「で、本筋に戻すけど」っていうと「なんだっけ?」と返ってくる。

 さらに省略が多い。身内の人は原則的に頭のいい人間で、こういう人間にありがちなことなんですが「文意が通じる最低限の要素だけを拾い上げて説明する」という傾向があります。しかもそれでいて速度が爆速。これはきつい。うかうかしてると自分が文脈のなかのなにを理解できないのかすらわからなくなり、質問のタイミングもわからなくなってしまう。

 で結局、俺が現状理解していることは、身内の人のパソコンは最新のゲームをやるために充分なスペックがあり、カスタムメイド3Dでも問題なくできそうだ、ということくらいです。なにもわからない。