シティオブなんちゃらって映画見た

 生まれてこのかたアニメ以外の映画というものをほとんど見たことがないです。しかしこのあいだふと「あんたはレオンとかいう映画を見たほうがいいよ」と20年近く前にインターネットでお世話になった方にいわれたことを思い出しまして「レオン」という映画を見ました。これが異常なまでの画面の密度と異常なまでの設定の凝りようでくっそみそにおもしろかったんですよ。そんで身内の人に「ほかに映画ないか」って聞いたら「シティ・オブ・エンジェルという映画を見ておけばいい」というので見てみました。

 そんで、まあレオンっていうのと比較すると「ふつう」っていう感じで、少なくともお話というものの説明としてはわりと冗長な感じで、2時間なりなんなりの時間に詰め込んでる情報量としては少なかったかなあと。そういう映画でないのはわかってるんですけど、そのわりには画面に緊張感もなかったです。どっちかっていうと雑に見える一瞬もありました。

 ただ主演のニコラス・ケイジって人ですか。この人の表情がやばかったです。子供の好奇心まるだしの表情から人間味だけを消し去ったような表情で、よくあんな表情作れるなあと。また、終盤で人間になってしまうわけなんですが、前半の演技はこのためにあったか、というような爆発的な演技で、あのシーンはほんと鳥肌たちました。

 でもオチは……。

 アマゾンの配信で見てたので、残り時間がわかるわけなんですけど、人間になって結ばれた時点で残り20分くらい。この残りの時間でオチつけるのならもう死にオチしかねーだろでもさすがに映画大国アメリカでヒットした作品で、そんな単純な死にオチ持ってくるわけねえよなあと思ってたら、まさかの「もう怖くない」ですよ。海でも見たのかおまえは。

 でまあこの作品、要は「ふつうのラブロマンス」に、阻害要素として「人間ではない」とを入れた、まあありがちっちゃありがちな設定なんですけども、その限りにおいてはお手本になるような作品だなあと思いました。たとえば天使なる存在の「さわれる」「さわれない」の設定あたり、けっこう微妙で、微妙なんですけど、外堀である状況のほうをがっちり固めてあれば、そのへんはふんわりと雰囲気で押し切ってもいいのかなーとか。

 まあとにかくおもしろかったです。情報量がそこまで多くはなかったので、そこまで疲れなかったし。いや、レオンめったくそ疲れたんですよ。画面の情報量多すぎて。

 

 で、そのあとちょっとレビューとか見てみたんだけど、まず主演のニコラスなんちゃらさんの演技があまりあってないとか天使っぽくないっていうのがけっこうあって、それ「天使」って概念に先入観ありすぎるんじゃないかなあと思った。この映画ではわりと最初から「なんか薄気味わるいもの」としてちゃんと描写されてるし、俳優さんの演技は「そういう存在」としては完璧だったと思う。

 最後のとうとつな死にオチを避ける方法はちょっと思いつかない。主人公に情報を与える立場としてあのおっちゃんの存在は必然だったんで、そうすると天使の側に寿命がある、地上にいれる時間に制限があるっていうのも無理だし、ヒロインの女性のほうに病気が、みたいなのも、それは天使の側でわかってしまうからうまくない。「悲恋」が前提である以上、オチは別れしかないわけだけど、やっぱりどうかなと思う。

 あともひとつ、ヒロインが主人公に好意を抱くところの描写がかなり雑。これは天使を「そういう存在」として設定してしまったことと関連してて、けっこう死についての談義とか入れたりしてがんばってみようとはしてるらしいんだけど、あんまり機能してない感じ。

 ま、ほんとうに名作と呼ばれるものは、このへんの処理がちゃんとしてんでしょうけどね。

 そういう意味で前回に見たレオンはほんとうにすげえ作品だったんですけど、最後のアクションでわけわかんなくなった。アメリカの映画だとやっぱああいうの入れなきゃだめなのかなあ。