しろの(略)その5

 姫花ルート途中です。ネタバレです。

 これはごついですわ……。

 このゲーム、基本的には「しろルートと共通がメイン」であるのは作品の性質上しょうがないことで、正直ほかはおまけ程度かなーと思ってたんですよ。複数ライターですし。複数ライターだから絶対に悪いってことも別にないんですけど、まあ、その、えろげやる人のなかにはそういうような経験ある人だっているじゃないですか。

 ところがここまで来て、しろルートは読みであったのはもちろん、アウロラのルートも尋常じゃないくらいかわいくて、スタートはかなり地味だった姫花ルートもちょっとやばいです。

 えーと、幼なじみヒロインっていくつか難しいとこがあって、ひとつは「関係性の変化」なんですよね。これは俺だけかもしれないんですけど、数ある関係性のなかで、幼なじみっていまひとつピンと来ないんですよね。なんていうか「家族のように過ごした」「身内じゃない」「異性」とかそうそういないと思うし、そもそも俺は一般的な「家族」っていうものに関してあんまり想像がつきませんし、友だちはいませんし、異性なんかは(中略)(みんな死ねばいい)という感じだったので、まあ多重に想像が及ばないんですよね。だから世の人はひょっとしたら「幼なじみ」という関係になんらかの実体験をベースにした想像が及ぶのかもしれないんですが、俺には難しいんです。

 で、その難しい関係性をベースに、さらに「恋愛」という新たなフェーズに突入させるわけじゃないですか。その関係性の変化を説得力をもって描写してくれたシナリオってのあんまり見たことないんですよね。まあそうはいってもおっぱいついてれば女でしょ、セックスすれば恋愛でしょってことで乗り切っていけるのがエロゲなんですけども、俺はどうもそういうの苦手で。

 ところが、ようやくそういうシナリオに出会えました。

 俺は基本的に寸止めとか片想いとかのシチュが大好きなので、カップル成立するとそこからってほとんど惰性でしか読めないんですよね。だけどこのシナリオは違った。成立してからが本番です。もう「はつきあい」でもここまで攻めてきたかなってくらいの初めてどうしの怒涛のシチュの連発ですわ。

 また、関係性の変化についても、姫花のほうに「片想いを続けてきた年月」ってのがあって、だからこそいまさら告白されても困るっていうのがあって、そのへんの描写が非常にうまくなされてました。このへんの姫花の心境って、いってみればエロゲにとっては完全に余分な要素なんですが、俺はそういうものをこそ読みたかったわけです。

 にしてもこのゲーム、特徴的なのは、ヒロインがみんな「女性から見て嫌味のないかわいさ」を実現してることです。まあこれ、個別に入っても「ほかのヒロインたちや、周辺の人たちの助力」が前提になってカップル成立してるっていう作品の構造のせいもあるとは思います。つまり「同性から嫌われるヒロイン」では応援してもらえないっていう。ただそうはいっても、その雰囲気を違和感なく成立させるっていうのは、これはヒロイン単体での嫌味のないかわいさみたいな部分はあるかなーと。

 ここまでのところ、しろ、アウロラ、姫花とも「王子様と出会うお姫様」が根底にあり、かつ「恋に対するおそれ」みたいなのがかならず描写されているという共通の構造があります。そのせいかなんなのか、全体として「ヒロインが納得するまでずーーーーっとセックスお預け食らう」という構造になっていて、なんというか、これだれのための作品なんだろうという疑念は深まるばかりです。とはいえ、しろ、アウロラ、姫花のいずれとも、ベクトルの違う方向ですさまじい破壊力ありました。ベタな幼なじみ見れたのもよかったし、その子がけっこう賢いのもたまりませんでした。まだ終わってないですけど。

 充分にレベルの高い作品ですし、おもしろいとも思うんですが、人気あったのかなあ、これ。基本的に少女マンガ好きだったら全力でおすすめしたい作品なんですけどねー。