星メモ4

 だいぶあいだが空きまして、こももルート終了です。

 いやーこの作品が世に出てから7年……8年? よく覚えてないんですが、発売からほとんど間を開けずに買ったことは事実です。そんで思うわけです。人の記憶ってなくなるなあと。タイムラインの俺と比較すれば若人の方々がずいぶんよくこのゲームの記憶を保ってるんですけど、やっぱやった年齢ってのがありますね。記憶の定着の度合いが違う。

 なんてのはさておき、こももルートです。前回の感想が共通の途中で終わってるんで、共通やってこももルート終えるまでの全体の感想でも先に書いていこうと思います。

 まず驚くのは読みやすさですね。ヒロイン全員がわりと受動的ではなく、そこからエピソードを発展させやすい、あとなによりどんなときでも千波出しておけばどうにかなるってのもありまして、まず退屈しない。千波に限らず、各ヒロインの可読性という点においての性能の高さと来たら。

 あと、笑わせに来る基本がほとんどすべて天丼なんですけど、これが実によく機能しておりまして。ここまでやってくると、もう手癖の一種かなとも思うんですが、これが実によく効いてる。各キャラ何パターンかの天丼を用意しておくことによって、それがキャラの強化につながってるって感じです。

 

 こももは……よいですね。なんていうか、ジャパニーズ・ツンデレの至宝ですわ。前回にこのゲームやったときに、俺はツンデレというのはツンからデレへの落差のダイナミズムがこれを担保する、というようなことを書いたかと思うんですが、仕込みがめったくそうまいんですよね。

 こももルートについて、たぶんだれもが挙げるのは最初のお姫様だっこのシーンだと思うんです。あれがめっちゃ活きるのは、そこに至るまでの仕込み、つまりこももが主人公に対して心を開いていくその伏線がきっちり敷かれていたからで、だからこそ、あのシーンが唐突な印象を与えない。あのしつこいまでの「あれ?」の繰り返し、あれほとんど無限に続いてほしいと思った人もけっこういると思うんですよ。あれは長年そこそこエロゲやってる俺でも、五本の指には入る名シーンなんじゃないかと思います。地面に下ろされたあとのもこもこさん、ほとんど事後でしたね……。これが見たかったってのが再プレーの理由のひとつです。

 それからお弁当をはじめて渡すシーン。あれもたいがいすごかった。あれは悪夢が始まってからまもなくのシーンで、こももにとって主人公が「鎮痛剤」として機能するあたりがわかり始めたシーンだと思うんですが、生徒会の用事を口実にお昼を一緒に食べるということ、お弁当自体が口実であるということ、そこまでしなきゃ夢の内容を話すということですらできないということ、もうすべてがかっちり噛み合って、ツンデレとして最大の破壊力を出してます。なにしろもう、もこもこさんの舞い上がりかた半端ないですからね。2回目のお弁当のシーンなんて、もうこれここで「やらせろ」言ったら「ひ、人が見てるでしょ」とか言いながら股開くんじゃないと思ったら、その直後に主人公がいきなりキスして、それを受け入れちゃうっていう描写があって。こういうのやたらうまいよなあ……。

 そもそもなんですけど、このゲーム、ほんとに謎なくらいリアリティがあるシーンが多くて、たとえば最初にやったときに感じたのは、最初に視聴覚室で明日歩と主人公が話すあたりでそれを感じたんですよ。今回やってるときでも、こももが主人公の家に来て「こんばんは」って言ってるあたりとかですね。同じ学校の(めっちゃ親しいというわけではない)女子がわざわざ家に来る、というイベントの感じがやたらよく出てるんですよ。これたぶん錯覚じゃないと思う。

 その謎のリアリティの由来を確かめるのも再プレーの理由なんですけど、これいまだによくわからないです。ひとつには描写するエピソードの選択が非常にうまいということ、キャラの個性がはっきりしていて「ああ、この人ならこう振る舞うよね」ということに説得力があること、会話が異様にうまいこと、なんかだと思うんですけど、どうもそれだけでもないんだよなあ……。

 ひとつわかったのは、こももの行動、たとえば頭の回転が速いために、思い込みも斜め上に突き抜けてく感じだとか、あと顕著なのが、どこだったかなあれ(自分のツイートを遡っている)、そうそう、主人公がこももを天クルの活動としての天体観測に誘うシーンですね。つきあいはじめてからあとのシーンになるんですが、主人公が「姫榊も一緒のほうがうれしいしな」って言うのに対して、こももが「だ、誰がうれしいの?」って返すんですよ。

 なにげないシーンのようなんですが、本来的には嬉しいのは主人公に決まってるわけです。決まってるんですけど、こももはわざわざ聞き返す。なぜ聞き返すかというと、自分がほんとうに恋人として認識されてるんだっていう自信がないから。天然で聞き返してるのかというとかならずしもそうではなくて、ほかならぬ主人公が自分を求めてるからって言わせたいっていうのもあるに違いないんですよ。この会話で、こももの頭の回転のよさと自信のない部分との両方がわかる。明確にわかることはなくても、そういう人間だってうっすらと感じさせる。

 こういうやりとりの積み重ねがこももの行動に強い説得力を与えていて、それが随所でリアリティにつながってるんだと思うんですよね。

 

 お話としては、こももの母ちゃんの説明セリフで一気に伏線回収してく感じとか、まあスマートとはいえないなあみたいな部分もあったんですけど、それを込みで考えても実によくできてたと思います。通常、エロシーン終わったあとってお話の回収だけで興味を失うことが多い俺なんですが、こももルートの場合は、デレてからのこももの破壊力が高すぎたことと、なによりラストにこさめ関連の伏線を回収してく手際がけっこうよかったので、退屈せずに一気に読めました。

 ただエロシーンはどうなんだろうなあと思いました。そこが主眼のゲームではないのでしゃーない部分はあるんですが、ツンひどすぎてあそこまで煮詰まった感じがあったのに、エロシーンはわりとふつうに終わっちゃった感じ。実はアクシデントに弱いとか、あとなによりなんだかんだで強く命じられるとしおらしくなっちゃうあたりとか、エロシーンに活用できそうな要素は多かったのになあという気がします。

 

 前回やったときとの印象の違いとしては、こもも想像以上にかわいかったです。前回は主にツンデレの破壊力によって殺されたという感じが強かったんですが、今回はふつうにあちこちでかわいかった。キャラでいえば千波が突き抜けてかわいい(主観)のと、あとはメアがやばいのは確定で、こももはさほど興味ないほうのはずだったんですが、現状ですでにこももかわいくてえらいことになってて、このあと最後まで体力もつのかよって感じです。千波は個別あんまりよくなかった印象があるんですよね。これは自分がテーマと相性悪いってのが主な理由(だったはず)なんですが。

 

 それはそうと、このゲームが終わったあと、ゆのはなとかやり直しそうで怖いです。やっぱり自分が過去にめっちゃおもしろかったと思ったゲームって、やり直してもそのおもしろさは色あせないということなんですね。というわけで、AndroidのタブレットにKanonとAIR放り込んであるんですが、あれはいつやるんですかね。

 次はこさめさん行きたいと思います。過去の俺の性癖をご存知の方からはまさかと思われるかもしれませんが、実はこさめさん大好きです。めんどくさくて賢くて内面に踏み込ませないし、踏み込んでこない。しかも情緒がわりと安定してる。大好物です。まあ肉体だけでいえば鈴葉ちゃんがいちばん好みですけど。明日歩は腋コキ担当かなあと思いました。ひどいな。