志乃ちゃん

 ついでなのでこっちの感想も書いておきます。

 えーと、作品名は……いいや。てきとーにぐぐれば出てきますよきっと。どうでもいいんですけど、Kindle版はファンタジアになってんですね。いま気づいた。できるだけエゴサされたくないんですよ。

 ロリラノベの金字塔ですね。

 いちおー分類としてはミステリーになるんでしょうけど、俺がこのジャンルに不案内であること、あとその俺から見ても「これはどうなんだ」と思えるような内容がけっこうあることなんかも含めて、そういう観点からは読まないほうが無難だと思います。

 なんつーか、欠点の多い作品だと思うんですよね。キャラクターの長口舌とかちょっと読んでられないものがあるし、そもそものキャラ設定がえらい不自然だったり。志乃ちゃん目当てで読むには志乃ちゃんちょっと出番少ないし、ほとんどしゃべってくれないし。あとなにより地の文がくどい! さすがに商業作品だけあって、一定以上にはバランスは崩れないんですけど、踏み外す寸前まで行ってることはよくあります。

 にもかかわらず、ロリラノベでどれか一作品、といわれたら、さんざん悩んだ末に、これか「紅」かどっちかを挙げますね。

 とにかく圧倒的に志乃ちゃんがかわいいんですよ。これはもう作者の圧倒的大勝利だと思います。この時期ってGOSICKの影響もあってか、一人称主人公からはデレてるとは見えないけど、行動だけ見るとデレてるとしか言いようがない無口で無愛想なヒロインがけっこう流行ってた印象があります。志乃ちゃんもその流れだと思います。

 ものすごい頭がいい子で、まあ探偵役なんですけども、小5の女の子にそういうもんを搭載しちゃうとふつううまくいかないもんなんですが、この作品はそのへんがすごくうまく行ってるんですよね。あれどういう理屈なんだろう。

 ひとつには、主人公の側が志乃ちゃんのことを「ふつうの女の子として扱いたい」という希望を強く持ってることでしょうね。志乃ちゃんの行動はその希望に照射されるわけで、でも実際にはもちろんそんな言動はしてくれない。ただその主人公の願望みたいなものって読み手をも支配するわけで、どうしたって「志乃ちゃんの子供っぽいところ」を探そうとするんですよね。そしてとうぜん作者はそういうものを随所に仕込んでくるわけで、その「チラ見せ」みたいなもののさじ加減が抜群にうまい。最小限のデレで最大限の効果を上げているといいますか。

 あとまー、これも作者大勝利の設定なんですけど、実は志乃ちゃん自分が女の子だっていうことをよく自覚してるんですよ。ロリラノベをロリラノベとして読むためには、読む人にはそれ相応の下心があるわけで、この志乃ちゃんの「自覚してる」という部分が「そういうふうに扱ってもいいんだ」という許しというか、そういう意味を持ってきます。ただし、志乃ちゃんは言動ではそれを表面に出さない。ゆえに、欲望する側の欲望はいつまでも持続する。

 これ、ロウきゅーぶ!なんかだとベクトルが逆なんですよね。建前上、ヒロインたちは自分たちの存在が欲望の対象になるということに無自覚であるということになってます。その無自覚なものに対して欲望の視線をぶち当てるという感じになってる。これはいい悪いの問題ではなくて、俺の個人的な趣味なんですけども、わりとこういうタイプの作品って苦手なんですよ。もっともあれはバスケのシーンがおもしろすぎて最後まで読んじゃいましたけど。あと智花さんオナニーひどいからね。これは確定事項です。

 あとはまー、イラストだろうなあ。単純にイラストの人の絵が好きで。

 それにしても、志乃ちゃんの初潮エピソードが編集の人の意向(だと思うんですが)でカットされたことには永遠の恨みを抱いて生きていきたいです。

 なお、このへんの事情通の方の話によるとロリのヒモとやらいうやつがおもしろいそうなので、そのうち読んでみたいと思います。てゆうか一時期はロリラノベと名がつきゃ完全制覇の勢いだったんですけど、ここ数年さぼってるんで、現役復帰したいです。