乳袋認定しなかった

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 これ読んでた。ブコメ欄もひっくるめてなんか違和感あって、しばらく考えてたんだけども。

 まず俺はバーチャールユーチューバー界隈はまったく興味ないので、このキズナアイとやらも名前程度しか聞いたことがない。それがどういう性質のコンテンツであるかもわからない。なので絵だけで判断するのだが、ここに性的な含意がないかといえば、これあるとしかいえないだろう。理由は非常に単純で、乳とかへそとか強調するデザインになってるから。ただし同じことは、そこらへんでリアルの女性が着ている服にも同じことがいえる。体のラインとか肩とか強調するやつとか、あと胸あきなんかのある服でもやってることは同じである。そういう服がなんのために存在しているかはさておき「女性の肉体」という概念があって、それを活用するという思想がそもそもファッションのなかには埋め込まれている。ここはこれ以上踏み込むとすんげーめんどくせえことになるので、そういうものだと思うことにしておく。

 ただこのキャラデが現今の、2018年という時代において「過剰に性的」であるかというと、かなり躊躇するものがある。単なる「かわいい女の子」の記号化でしかない、という見方も充分に可能なレベルでしかない、とも思う。そのかわいいの記号化が女性性というものを消費云々言い出すとまた話がややこしくなるので、ここでは(ひとまず)女性がかわいかったりきれいだったりするという価値観そのものには問題がないということにしておく。実際ブコメの大半は「これで性的とかねーわ」っていう感じである。

 そこで俺が気になったのが著者の年齢だ。1968年生まれ。

 まあ俺みたいな1970年生まれもいるのでいちがいにはいえないが、この世代でオタ的なコンテンツになじみがない人にとって、このキズナアイというキャラはどう見えるかという話である。これたぶん目もあてられないくらい性的なものに見えるのではないだろうか。てゆうかこの手のキャラの「かわいさ」ってわりと明確に少女マンガ由来で、そんでもって、その原型は80年代あたりのりぼんにあるのね。68年生まれって世代的に直撃のはずで、ロマンティック・ラブ・イデオロギーに彩られたそれらの作品群の女の子が「媚びてる」っていうふうに見える可能性がわりと高いと思うんだわ。

 俺は別にこの記事を書いた人を擁護したいわけじゃない。というか記事内容そのものがわりとどうでもいい。

 ただ俺は前から思ってたことがあって、インターネットにおけるもめごとのかなりの部分は、実は世代間闘争だっていうことである。だってさ、俺もうじき50歳だけど、その50歳とまあ20歳くらいか。これが同じ空間に同じように存在してるわけよ。その差30歳でしょ。肉体をともなわない、テキストだけの存在なんだとしたら外見なんか見えないし、いくらリアルとネットの分断ってものがあんま意味なくなった時代だっつっても、ひとまずは社会的立場とネットにおけるそれは分断されてるわけで、少なくとも、有名人でもなければ無視することは可能。てゆうか意識しないと見えない。そういうものがひとつ空間に放り込まれてるわけですよ。いくら時代の変化の速度が緩くなってきてるからって、30年はでけーっすよ。

 この記事なんかはわりと典型例だと思うわけ。要するに68年生まれのこの女性からはキズナアイというキャラデが性的でかつ媚びてるものに見えた。そこが根幹で、あとは枝葉だと思う。要するに主観ですわな。ただすべての主観は相対化されてしまうものであり、書く人にはその事実に対するわきまえってのが必要なんですけど、この記事にはそれがなかったためにこんなブコメ状況になったって感じですかね。まああんまり気をつかいすぎても今度はおもねるような結果になったりもするわけで、難しいところですけど。

 あとぜんぜん関係ないんだけど、俺の脳はこれを乳袋認定しませんでした。俺もまた時代に流されているということか……。