のんのんびより見てた

 にゃんぱすー!(5年遅れ)

 ふと気づいたらジャングルスマイルがサブスクに来てて、さっそく「翔べ!イカロス」なんか聞いててそうすると頭のなかにはあのMADなんかが出てくるわけでさっそく死んだ。おっさんだけわかれ。

 それはそれとして最近はバンダイチャンネルで見放題になってたので「のんのんびより」というアニメを見てました。まだ1期の8話あたりです。とうぜんタイトルくらいは知ってたんですけど、なぜか1話の冒頭だけ見ていきなり切ってたんですよね。なんでこの内容で俺が切るんだって自分でも謎に思えくらいだったんですが、このあいだようやく思い出してまして、冒頭のれんちょんの「にゃんぱすー」の段階でもう無理でそのあと見てなかった。まあああいう不自然なのってあんまり得意じゃないんです。

 でまあ、今回はちゃんと1話を通して見まして、まあなんというか、呆れました。田舎ってものをテーマに、というと、エロゲなんかでもよくあることなんですけど、オリエンタリズムみたいな、固有の臭みみたいなのが発生したりするじゃないですか、そういうのがきれいさっぱりない。あまりといえばあまりの背景の精細さはもちろんですけど、選んでるロケーションも、なんていうか、ただふつうに田舎なんですよね。その「ただふつう」をアニメーションの力でそれ以上のものに昇華してる。もう1話の段階でただごとじゃなくなってるなーってのはよくわかりました。なんていうか、作り手の意識みたいなのがよっぽど統一されてて、全員が「こういうものを作るぞ」ってわかってないと、ああいうものってできあがってこないと思う。

 で、いい作品なのはわかったと。これは続きも見なきゃねと思ってぶち当たったのが、4話です。特に後半。れんちょんが都会から来た女の子と出会うエピソード。

 あれはやばいすね……。

 いってしまえばよくある話じゃないですか。あのエピソードのなかで、ことさらに新しいものって、たぶんなにもないんですよ。出会いも、親しくなる過程も、イメージ的に流される背景の切り取りかたも、そして手紙が来るシーンも、すべてはだいたいがどこかで見覚えがあるようなもので。

 にもかかわらず「完璧」という一言しか出てこないんですよね。よくある話というのは、それこそどこにでもありそうだからよくある話なんですが、それをあそこまで隙なく、完璧に作り上げるのは簡単なことじゃない。お話を構成する「すべて」が完全に噛み合わないとああはならないんですよ。単話レベルでいえば、たぶん年に一度もないような、すばらしい視聴体験ってことになるんじゃないでしょうか。

 年間何十本となくアニメが作られる。話数単位でいうとその少なくとも12倍とか13倍ですよね。そうやって数多く作られたアニメのなかの、おおげさにいえば奇跡みたいな1話だと思う。あのキャラで、あのエピソードで、あの背景で、そして特に強調しておきたいのが、れんちょんの声優さんの声の演技ですね。あれはすばらしかったです。手紙をもらったシーンなんですけど、あそこでの「はがきより封筒のほうがかっこいいのん」とか「クレヨンも持ってくるのんな!」とかいうセリフ。そのセリフの選択が子供のリアリティを表現してるのもそうなんですが、れんちょんという、いってみればかなり特殊な特徴を与えられたキャラにあって、ときどき垣間見える「素の子供らしさ」というのがめっちゃよく表現できてる演技でした。

 どんな作品にも、とはいいませんけど、人気が出る作品って、やっぱりどこかには奇跡的な一瞬っていうのは抱えてると思うんですよ。それを計算で狙って出せるのがプロというだと思うんですが、ごくまれに、計算だけじゃ届かないだろう、なにかここで奇跡みたいなことが起きただろうと、そう思わせてくれる一瞬っていうのがあって。まあ俺みたいな人間はだいたいお話の体をなしていれば、あとは自分のほうを適応させてお話に潜り込むことが可能なわけですけど、そういうの抜きにして、問答無用にぶっ刺さってくる作品でありシーンっていうのは確かに存在してる。たとえばとらドラ!において、大河が竜児の名前を絶叫するシーンであったり、ちょっとほかに例が出てきませんけど、確かにあるわけなんですが、かといってそれは物語の積み重ねのはてに、そこですべてが爆発するんだ、という一瞬だったりするわけです。なるべくしてそうなったんだ、といえる。でもこののんのんびよりの4話は、そういうものではなくて、あたりまえに存在するものを、あたりまえに、異常な高精度で描写したはてにあんなものができあがってしまったというのが凄まじいです。

 実は類似の感動っていうと、ゆるキャンの何話だっけ、しまりんとなでしこが初めて一緒にキャンプする日の朝ですね、山を背景にかなり引いた構図でなでしこが歩いてるシーンなんかにも感じたんですけど、あれはシーン単位ですけど、のんのんびより4話はエピソード単位でそれを実現してる。

 いや、ほんと驚きました。すごい話でした。

 

 あとはれんちょんがシャンプーハットを使用しているかどうかの情報と、あとトイレのシーン(ないしトイレ宣言)をしてるシーンがあるかどうかが重要です。水着はれんちょんが優勝です。てゆうかれんちょんよすぎて、だんだんほかが目に入らなくなるといういつもの悪癖が出てきました。これは性的に消費する可能性があるキャラとしては最低年齢更新かなーと思ったんですけど、パパ聞きのひながいちばん幼かったのでまだ平気です。しかし作品のほうから「ひなをそういうふうに消費していいんだよ」というメッセージが出てたという点で、あれけっこうひどい作品だったと思います。れんちょんはそういうメッセージ出してるキャラじゃないから、それを見出す俺のほうが罪人。